2011-07

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森 博嗣『DOG&DOLL』文庫版

DOG&DOLL (講談社文庫)DOG&DOLL (講談社文庫)
(2011/07/15)
森 博嗣

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 二年前、東京FM出版から発売された森博嗣音楽エッセィ集『DOG&DOLL』が講談社から文庫になって発売されることになりました。
 見本が手元に届いて、さっそくページをめくってみたのですが、まあ懐かしいこと。
 もちろん、元の本↓

DOG & DOLLDOG & DOLL
(2009/03/13)
森 博嗣

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は、手元にあるので「いつでもそれが見られるんだから懐かしいというのはおかしいじゃないか」など、ご意見もあろうかとは思いますが、そういう問題でないのです。懐かしいものは懐かしい。

 この書籍では対談のまとめなどをお手伝いしたのですが、初めて森さんにお目にかかった時はそれはもう緊張しました。私にとっての講談社ノベルズといえば森博嗣か京極夏彦かという時期が長かったものですから。
 
 おまけに、この本の対談で、ある意味私の高校時代のカラーを決定したと言ってよい『究極超人あ~る』をお描きになったゆうきまさみさんにも会えるとなった時には、東京の暗い星空に向かって「神様、ありがとう」とつぶやいたものでした。
 
 森さんのエッセィの魅力は、どこか浮世離れした洒脱さにある、と私は思っております。
 あと、ものすごく自分に正直なところ。おそらく、「お世辞」とか「お追従」というところからもっとも遠く離れた場所に立っている、この世に数少ない人なのです。
 
 この文章を書きながらも、あの時はこうだったなあ、とか、あんなことをおっしゃっていたなあ、とか、いろいろと心に浮かんできて、思わず笑みが。

 そういえば、巻末についている「森博嗣的音楽環境」の撮影のためにお家に伺ったときに、お庭で欠伸軽便鉄道にも乗せていただいたのでした。

 いやはや、本当に懐かしい。 
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『ダ・ヴィンチ8月号』

ダ・ヴィンチ 2011年 08月号 [雑誌]ダ・ヴィンチ 2011年 08月号 [雑誌]
(2011/07/06)
不明

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 これまで何度も印象深い仕事をさせてもらってきた「ダ・ヴィンチ」ですが、今号ほど心に残る仕事はないのではないか。
 送られてきた見本誌を手にし、「東日本大震災 無力感を祈りに変えて」という特集タイトルを見たとき、改めてそう思いました。
 今回、この特集で、私は被災者の方々に直接インタビューをする機会をあたえていただきました。
 被災地には、取材で入るまでにすでに一度訪れていました。その時に、「被災者の気持ちを理解することは決してできないだろう」と痛感していました。悲惨な現状を前にし、ただ呆然と立ち尽くし、熱いものがこみ上げてくるのを感じても、それまでの人生を一瞬にして奪われた人の気持ちを忖度するすべを、私が持っているとは到底思えませんでした。
 絶対に共感できた気になってはならない。激しい無力感に襲われつつ、それだけは決意していました。
 ゆえに、編集部から「被災地へ出向き、インタビューをしませんか」と声をかけてもらったときには、何が何でもやりたいと思った一方、果たして自分にできるのかと不安に思ったものでした。
 インタビュアーとして未熟だというのもありますが、時として相手の心に踏み込んでいかなければいけない作業をするにあたり、まだたった三ヶ月しか経っていない被災者の方々の気持ちを逆なでするようなことをしてしまうのではないか、そんな不安がつきまとったのです。
 しかし、最終的には、一ライターとして、この仕事をやりたいという欲求が勝りました。
 同じような葛藤は、編集者の方もお持ちでした。
 みんなが感じた懊悩に、それぞれ答えを出した結果が、今回の誌面になっているのだと思います。
 テーマが「祈り」となったことに対して、いろんなご意見はあるでしょう。しかし、私は、同行した編集者が帰京する新幹線のなかでおっしゃった「正義は時として人の意に染まぬことを強要しようとするが、祈りは純粋に相手を思う心から発せられる」という言葉に強く胸を打たれました。
 祈りは無為ではなく、人を導く明かりになるのだと、今はそう思っています。

 震災特集では、上記のインタビューのほか、震災関連書籍のブックガイドもやっています。
 どれも良書ですが、私としては『千年災害』と『これからの防災・減災がわかる本』がおすすめ。前者を読めば、この国に住まう限り、私たちは決して自然災害から逃れらないのだということがよくわかります。それを頭に叩き込んだ上で、災害を防ぐのではなく、被害を最小限に抑える社会への転換を説く後者を読むと、自分がすべきことも見えてきたような気がしました。



「六名の作家が書き下ろす怪談実話 ふるさと怪談2011」では、ご当地怪談のブックガイドを担当しています。
 震災からしばらく経って、インターネット上では「みちびき地蔵」というアニメーションが話題になりました。往年の名番組「まんが日本昔ばなし」でアニメ化された気仙沼に伝わる昔話なのですが、この物語では、昔の津波で多くの村人が亡くなったと記憶を、怪談として語っているのです。
 おそらく、これが「昔話」になる前は、当時の「怪談実話」として語られていたのではないでしょうか。
 人知を超える悲惨な出来事を後世に伝えるには、怪談という形をとるのが一番。昔の語り部たちは、経験的にそれを悟っていたのかもしれません。
 今回は、六名の現代の語り部が、「ふるさと」への思いを怪談に乗せています。
 ふるさとがたった一度の地震で失われることがある。しかも、昔と違い、人災としかいえないような要因で、住むのに全く問題がなかったはずの土地を追い出される人もいる。
 21世紀になってこのかた、これほどまでに日本人が「ふるさと」について考えたことは無いのではないでしょうか。私たちは、今後、なにをどう語り継いでいけばいいのか。私は、この特集にその答えの一端を見たに思います。

『幽』十五号

幽 2011年 08月号 [雑誌]幽 2011年 08月号 [雑誌]
(2011/07/01)
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 表紙を飾るひょうきんな顔つきの鯰は、伊賀市阿保にある大村神社で授与されている地震除けのお守りなんだそうです。その背中にのるのは、爪楊枝の先に彫られた化け物退治の勇者・大石兵六。写真では大きく見えますが、実物は小指のつめ先ほどしかありません。鹿児島にお住まいの爪楊枝人形師・そーきさんの作品です。製作過程をユーストリームで見たのですが、いやはや不器用な私などは気の遠くなりそうな作業でした。


「幽」は怪談文芸誌という特性上、時代の空気に則した特集が組まれることはあっても、直球の時事ネタが紙面を飾ることは無い。少なくとも、私はそう思っていました。
 しかし、未曾有の震災には、そんな思い込みすら通用しませんでした。
 今号の第二特集は「震災と怪談文芸」。東北に縁の深い作家や『幽』でおなじみの作家が、3.11を振り返り、今の心境を語っています。当然のことではありますが、それぞれの置かれた立場やどこであの震災を経験したかで、思うこともまちまちになる。だけど、誰一人として震災を無関係に感じた人はいない。
 一人ひとりの祈りがこもっているような文章を読みつつ、私もあの日を思い出し、決して忘れないように心に刻み込もうと思いを新たにしました。

 今回、私が担当したのは第一特集「ゴーストハンター」内、京極夏彦×諸星大二郎対談と、平山夢明大藪春彦賞受賞記念鼎談のふたつ。また、書評では岸浩史『夢を見た』を取り上げています。

 まだ全作品を読めてはおりませんが、相変わらず恒川光太郎さんの小説はすばらしい。
 今回の作品は、不思議な力を持った女性の輪廻転生を縦糸にして、沖縄の離島の近現代史を描いています。近頃、仕事の関係で沖縄の歴史にどっぷり浸かっていたもので、よけいに心に沁みました。
 恒川さんの今回の作品には、歴史を寓話的に書いてこそ伝わる「何か」があることを教えられた気がしています。怪談は鎮魂の文学である。その真の意味を体現している作品ではないでしょうか。
 
 また、南条竹則さんの「幽的民譚」で紹介された英国の幽霊を題材にしたバラッドの紹介も印象に残っています。日本にはないゴーストリィな中世古謡の世界、もっとわけ行ってみたいものです。

 度肝を抜かれたい向きには、花輪和一さんの漫画がおすすめです。一読、唸りしか発せられませんでした。内容については、読んでのお楽しみ、ということで。

 今号も『幽』をよろしくお願いいたします。

『小説推理8月号』

小説推理 2011年 08月号 [雑誌]小説推理 2011年 08月号 [雑誌]
(2011/06/27)
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 早いもので、今年も「小説推理新人賞」の受賞者発表の季節になりました。
 今年は選考委員が交代する年ということで、荻原浩、近藤史恵、笹本稜平のお三方という顔ぶれに。
 
 人が変われば選考会も変わるということで、去年までの和気藹々として雰囲気とは一変、緊張感あふれる討論となりました。
 その様子のレポートを担当しております。

 今年の最終選考に残った四作は、いずれも個性的な力作ぞろいでしたが、最終的に優劣を競ったのが今回の受賞作となった「ジャッジメント」(小林由香・作)と「不眠少年A」(田中国明・作)でした。
 いや、正確を期すのであれば、「優劣を競った」というよりも、「受賞作選びにはなにを重視すべきか」という点の議論になったというべきでしょう。
 それだけに、今回の選考会レポートは、プロを目指して新人賞に投稿する方々にとっては非常に参考になる内容になっていると思います。
「ジャッジメント」は、断罪と赦しという普遍的なテーマを、SF的な世界観に落とし込んだ意欲作です。近藤史恵さんが「小説というものに格闘しようとしてる」と高く評価された作品、お読みになってはいかがでしょうか。

『総図解 よくわかる仏教』

総図解 よくわかる 仏教総図解 よくわかる 仏教
(2011/06/22)
武田 鏡村

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 ライターとしての初仕事が仏教入門書だったこともあり、この五年に満たない間に複数の仏教関連書籍に携わってきましたが、また新しい一冊をご紹介できることになりました。
 新人物往来社から先月中ごろに出ました『新図解 よくわかる仏教』です。
 
 こちらでは、日本仏教史、仏教各宗派の歴史と著名な仏教者の伝記、そして日常に関連する仏教行事について筆を執りました。
 世に仏教入門書はいくらでもありますが、せめて手にとっていただいた方には最新の仏教研究の成果を知っていただけるよう、できるだけほかの書籍では見られないような情報を盛り込んだつもりでおります。
 
 たとえば、曹洞宗。
 一般的な書籍では、「道元が中国から持ち帰った黙照禅を今に伝える宗派」として、厳しい禅風を守った純粋禅の宗派との紹介がされることが多いのですが、実は歴史的な過程では密教的な呪術も取り入れたりしています。そうした側面も、今回の書籍ではご紹介しました。(ただし、紙幅の関係でほんと一言二言触れているだけですが……)
 また、臨済宗は各派でそれぞれ祖師とする僧がおり、日本に中国臨済宗を最初に紹介した栄西が必ずしも宗派全体の祖師とはされていないことなどにも触れております。

 入門書といいながらも、ちょっとだけ上の知識も得られるように工夫しましたので、ぜひお手にとってみてください。

↓とあわせて読んでいただけると、文字通り最強です(笑)。
史上最強 図解仏教入門 (史上最強図解シリーズ)史上最強 図解仏教入門 (史上最強図解シリーズ)
(2010/06)
保坂 俊司

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プロフィール

門賀美央子

Author:門賀美央子
名前 : 門賀美央子
     (もんが・みおこ)
職業 : フリーライター
メールアドレス : info@monga.jp
※スパム対策として@を全角文字にしております。メールを下さる場合は、@を半角に直してください。

主な執筆分野は
・人物インタビュー
・文芸諸ジャンル
・仏教など宗教系
・神社仏閣/伝説探訪記事
・日本の伝統芸能/文学
・サブカルチャー系「歴史・民俗」「オカルト」などのジャンル
・各種書籍構成

 WEB幽連載記事「全国神社仏閣お化けつき 」 
  URL: http://www.mf-davinci.com/yoo/index.php

 ブログ「百観音巡礼」
  URL: http://ameblo.jp/nihonjyunrei/

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