2014-01

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『金色機械』恒川光太郎


金色機械金色機械
(2013/10/09)
恒川 光太郎

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 昨年10月に出ていた恒川光太郎の新刊をようやく読むことができた。 
 物語作家として一皮剥けたのではないか。口幅ったいことをいうようだが、一読後、最初に去来した感想はそれである。

 話を要約すると、月からやってきたという言い伝えを持つ一族とその一族に関わる人々の、室町時代から江戸時代にかけての年代記を多視点で描いたSFファンタジー時代小説、といったところだろうか。
 のっけから、人の心を象徴的な映像で読み取る遊郭の主と、撫でるだけで生き物を安楽死させることができる女など、異能者たちが登場する。
 続いては神秘的な族長に守られた排他的な村や、族長一族に仕えるアンドロイドのような存在「金色様」が出てくる。オーソドックスなSF的人物がずらりと並ぶのだ。

 一方、舞台となるのはならず者どもが巣食う山城や棄民たちの隠れ里、流れ者が集う河原など、これまた時代物伝奇小説の定番ともいえる設定。
 ある意味、よく見る設定を使うだけ使って……どうしてここまで美しい、そう、まさに「美しい」としかいえない物語が生まれるのだろうか。

 恒川小説の醍醐味が、日常的な言葉のみで鮮やかな情景を描いてみせるあの独特の文体にあるのは言うまでもない。
 たとえば、冒頭部分に出てくるこんな一節。

「川沿い一体の大遊郭は<舞柳>と呼ばれている。風が吹くと、柳が踊る。」

 妓楼の華やかさと儚さ、そして底に潜む寂寞が「風が吹くと、柳が踊る。」という一文だけで伝わってくる。こうした文章の積み重ねが、いわく言いがたい雰囲気を持つ文体となり、それが読者の心を捉える。
 読者が受ける刺激は、良質な散文詩を読む時のそれに近い。
 この特性は、文体より物語性を重視する向きには「敷居の高さ」として認識されるきらいがあった。
 だが、今回の作品では一人の女性の半生を主軸に置き、金色様を狂言回しに、そして謎解き的な要素を加えることによって、わくわくするような筋運びになっている。同時に、従来の美質も損なわれていない。
 
 恒川小説はタペストリーのようだ。
 色糸の交錯が、離れて見るとめくるめく光景を作る。
 天来の技巧が生むアルカディアの風景。今回は、そこに動きが加わった。絵画鑑賞と映画鑑賞の層の厚さの差を考えてみれば、それが新たな読者を獲得する妙手であることは間違いないだろう。

 熱烈なファンの一人として、多くの読者に本作を読んで欲しいと思っている。
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2/9に「レシピ本ビブリオバトル at EDITORY」を開催します。

 新年あけましておめでとうございます。
 2014年、平成26年が始まりました。今日が仕事始めという方も多かったのではないでしょうか。
 私はといいますと、あいも変わらず東京の自宅でのんびり三が日を過ごしておりました。あ、3日はアメリカからのお客様を墨田七福神にご案内してたな。

 ともあれ、昨年は国内はもとより、アメリカにまで出張って怪談イベントなどを行いましたが、本年は怪談に限らず、自分の興味、関心のある分野に触手を伸ばしていろいろとやっていければと思っております。

 その第一弾として、2月9日(日)に「レシピ本ビブリオバトル at EDITORY」というイベントを開催する運びとなりました。

 まず、ビブリオバトルというちょっと聞き慣れない言葉について、ウィキペディアを引用してご説明します。

ビブリオバトル(Bibliobattle)は、京都大学から広まった輪読会・読書会、または勉強会の形式で「知的書評合戦」とも呼ばれている。2007年に京都大学情報学研究科共生システム論研究室の谷口忠大によって考案され、2008年に谷口が立命館大学助教となると、研究室の有志によって運営が続けられた。

公式ルール
1.参加者が読んで面白いと思った本を、順番に一人五分間で本を紹介する。
2.その後、参加者全員でその紹介に関するディスカッションを行う。
3.全ての紹介が終了した後、「どの本が一番読みたくなったか?」を基準に投票を行う。


 
 近頃は各地に運営支部ができ、都市圏のみならず各地方の図書館などでも盛んに行わるようになってきているので、本好きならご存知の方も多いのではないでしょうか。
 私も、ひょんな御縁で何度か見学に行き、毎度観客として楽しんでいたのですが、ある時にふと「これ、レシピ本でやったらおもしろいんじゃないかなあ」と思ったわけです。

 そこで、ビブリオバトルの理事をやっていらっしゃる女性にご相談したところ、「やりましょう!」と孫正義も真っ青のご快諾をいただき、急遽開催することとなりました。

 開催要項については、公式サイト http://tokyo-biblio.com/post/71297834036/recipe でご確認いただければと思いますが、今回はレシピ本縛りとしては初めての開催ということもあり、特別にトークイベントも同時開催することにしました。
 ゲストは書評家でHONZ副代表の東えりかさんとジャーナリストの佐々木俊尚さんという豪華メンバー。
 どちらも食に関しては一家言をお持ちであり、かつ佐々木さんは近々食文化に関する本を上梓されるとのことですから、刺激的なトークショーになること間違いなし、です。

 現在、発表者も観覧者もともに応募受付中です。
 当日はフリードリンクの上、発表者が紹介するレシピ本に掲載された料理やお菓子の試食ができます。

 冬の午後のひととき、本と料理で楽しみませんか?
 皆様のご参加をお待ちしております!




■日時 2014年2月9日(日)15:00開場、15:30開会~18:00終了

■会場 ワーキングラウンジ EDITORY 神保町 2Fイベントラウンジ

東京都千代田区神田神保町2-12-3 安富ビル

http://www.editory.jp/

■ゲスト
東えりかさん(書評家、HONZ副代表)
佐々木俊尚さん(作家、ジャーナリスト)

■参加費用
4,000円(フリードリンク、料理試食付き)

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プロフィール

門賀美央子

Author:門賀美央子
名前 : 門賀美央子
     (もんが・みおこ)
職業 : フリーライター
メールアドレス : info@monga.jp
※スパム対策として@を全角文字にしております。メールを下さる場合は、@を半角に直してください。

主な執筆分野は
・人物インタビュー
・文芸諸ジャンル
・仏教など宗教系
・神社仏閣/伝説探訪記事
・日本の伝統芸能/文学
・サブカルチャー系「歴史・民俗」「オカルト」などのジャンル
・各種書籍構成

 WEB幽連載記事「全国神社仏閣お化けつき 」 
  URL: http://www.mf-davinci.com/yoo/index.php

 ブログ「百観音巡礼」
  URL: http://ameblo.jp/nihonjyunrei/

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