2017-06

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『怪談文芸ハンドブック』東雅夫

怪談文芸ハンドブック (幽BOOKS)怪談文芸ハンドブック (幽BOOKS)
(2009/03/25)
東雅夫

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怪談の定義とは? 怪談の蒐集執筆のコツは…? 怪談に関する基本知識を具体的・実践的に解説し、古代から現代にいたる東西怪談文芸の流れを作品に即して紹介。トータルな視点による入門ハンドブック。



 昨日、bk1から届いたばかりの本ですが、一晩で一気に読んでしまいまして、この興奮冷めやらないうちに皆さんにご紹介しないと! とばかりに、さっそくブログを書いているような状態です。

 この本をお書きになったのは、本ブログではおなじみの怪談専門誌「幽」の編集長である東雅夫さん。
 東さんの文学に対する造詣深さは知る人ぞ知るところであり、とりわけ二十年以上も編集長をつとめられた伝説の雑誌「幻想文学」の功績と、現在も精力的に続けているアンソロジストとしての手腕には計り知れないものがあります。
 そんな東さんが、近年特に力を入れられているのが「怪談」文学の紹介です。
 幻想文学のオーソリティとして、ホラー・ジャパネスクという概念を提唱された東さんが、「怪談」という分野に改めてスポットライトを当てるのは、ある意味当然の帰着かも知れません。

「怪談とは、全ての幻想文学、いやさ文学そのものの極北であり精華である」

 これを、東さんは本書で、事例を丁寧に積み上げることによって実証されています。縦横無尽に引用される、古今東西人類の営為の結果立ち現れた伝説・民話・小説・テクニカルタームとしての“世間話”。これに対する的確かつ懇切な解説を読むだけでも、本書がいかに労作かがわかるのではないでしょうか。言わずもがなですが、到底付け焼き刃でできる仕事ではありません。怪談文芸が血肉となっている人のみにできる業です。

 また、本書には「読む」怪談だけでなく、「書く」怪談のための指南書という側面もあります。
 自ら、怪談に特化した本格的文学賞と、インターネットで気軽に投稿できる怪談公募企画を立ち上げられた東さんらしい構成だと言えるでしょう。
 「怪談」という文芸は、その全容を掴もうとして掴めない事まるで人魂の如しですが、本書では確実に一つの道を指し示しています。その道に分け入るか分け入らないかは、読んだ者次第です。ここに見出された沃野の王道を進むも良し、読まずにあえて茨の原野を進むも良し。そこはお好みで。

 こういった内容が、表紙のポップさ(そういえば、人魂が飛んでいますね)そのままに、噛んで含めるような語り口で書かれていて、大変に読みやすい。後書きにも書かれているように、「即効性の入門書」という目的に沿った文章です。これまで、「入門書」と銘打ちながらもわざとやっているとしか思えないような悪文と難文で門前払いをくらわされた経験があるなら、本書はそのトラウマを払拭する機縁になるでしょう。

 また、東さんのファンには、東さんの脳内文学地図を俯瞰できるいいチャンスになっています。

 これだけリーズナブルな本は、ちょっと珍しいかもしれません。
  
 怪談読み/怪談書きの卓上には、辞書と共に並べるべき本ですよ。


東雅夫の幻妖ブックブログ http://blog.bk1.jp/genyo/

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