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『幽』十五号

幽 2011年 08月号 [雑誌]幽 2011年 08月号 [雑誌]
(2011/07/01)
不明

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 表紙を飾るひょうきんな顔つきの鯰は、伊賀市阿保にある大村神社で授与されている地震除けのお守りなんだそうです。その背中にのるのは、爪楊枝の先に彫られた化け物退治の勇者・大石兵六。写真では大きく見えますが、実物は小指のつめ先ほどしかありません。鹿児島にお住まいの爪楊枝人形師・そーきさんの作品です。製作過程をユーストリームで見たのですが、いやはや不器用な私などは気の遠くなりそうな作業でした。


「幽」は怪談文芸誌という特性上、時代の空気に則した特集が組まれることはあっても、直球の時事ネタが紙面を飾ることは無い。少なくとも、私はそう思っていました。
 しかし、未曾有の震災には、そんな思い込みすら通用しませんでした。
 今号の第二特集は「震災と怪談文芸」。東北に縁の深い作家や『幽』でおなじみの作家が、3.11を振り返り、今の心境を語っています。当然のことではありますが、それぞれの置かれた立場やどこであの震災を経験したかで、思うこともまちまちになる。だけど、誰一人として震災を無関係に感じた人はいない。
 一人ひとりの祈りがこもっているような文章を読みつつ、私もあの日を思い出し、決して忘れないように心に刻み込もうと思いを新たにしました。

 今回、私が担当したのは第一特集「ゴーストハンター」内、京極夏彦×諸星大二郎対談と、平山夢明大藪春彦賞受賞記念鼎談のふたつ。また、書評では岸浩史『夢を見た』を取り上げています。

 まだ全作品を読めてはおりませんが、相変わらず恒川光太郎さんの小説はすばらしい。
 今回の作品は、不思議な力を持った女性の輪廻転生を縦糸にして、沖縄の離島の近現代史を描いています。近頃、仕事の関係で沖縄の歴史にどっぷり浸かっていたもので、よけいに心に沁みました。
 恒川さんの今回の作品には、歴史を寓話的に書いてこそ伝わる「何か」があることを教えられた気がしています。怪談は鎮魂の文学である。その真の意味を体現している作品ではないでしょうか。
 
 また、南条竹則さんの「幽的民譚」で紹介された英国の幽霊を題材にしたバラッドの紹介も印象に残っています。日本にはないゴーストリィな中世古謡の世界、もっとわけ行ってみたいものです。

 度肝を抜かれたい向きには、花輪和一さんの漫画がおすすめです。一読、唸りしか発せられませんでした。内容については、読んでのお楽しみ、ということで。

 今号も『幽』をよろしくお願いいたします。
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