2017-08

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女の「価値」とそれに連なる諸々(4)

 前回からちょっと間が開いてしまいました。
 単純に忙しかったというのもあるのですが、でもやはり「和田伊佐子」という女性を書くには、それなりの心構えが必要だったというか……。

 伊佐子は今は主婦です。
 ですが、昔は売春婦だった。

 彼女の章は、こんな文章で始まります。

 初めて、愛していない男と寝てお金をもらった時に、私は爽快感で笑い出しそうになるのを必死で堪えていた。
 こんな簡単なことだったなんて--恋人でもない男と寝ることも、わずかな時間で普通の仕事の日給以上のお金を得ることも。


 彼女がこれに至るまでの物語は、どうぞ本をお読みください。私が彼女から感じた突き抜けた「爽快感」の正体を追うことが、このエントリの目的なので。

 こういうことを書くと品性を疑われるだろうし、主婦層を敵に回すだろうから書かないほうが賢明というのはわかっているのだけど、でも書いちゃいます。

 とっくに愛なんぞなくなっている、もしくは最初からなかったのに、経済的理由および社会的体面のために結婚生活を続けるのって売春婦とどう違うのかしらって、ずーっと、それこそ十代の頃からずーっと思っていたのですよ、私は。
 売春婦って、問答無用で卑下して嘲笑して叩いてもいい存在になっていますよね。反差別とかフェミニズムの闘士を自任している人でも売春婦への侮蔑を隠さない人は山ほどいる。でも、愛をすべての前提にしたら、女のほとんどがどこかの時点で売春婦になりません? 妻を専属の性処理係および家政婦と思っている男は少なくないでしょ? なのに、結婚という制度に乗っているだけで売春婦扱いされないのって、不公平じゃない?

 てなことをですね、青臭いながらも、どうしても拭い切れない思いとして抱える私にとって、伊佐子の小気味の良さは一種の福音だったわけです。
『楽園』に登場する女たちの中で、一番冷静な分析力を持っているのが伊佐子という女です。そして、自分が何を欲するかを理解している。つまり、最も利口な女なのです。

 だから、彼女は花房さんが用意した罠にも引っかからない。唯一そこから身をかわす。
 かっこいいんですよ、伊佐子。
 最終章、彼女は物語世界において極めて重要な位置で再登場します。そして、彼女の言葉のおかげで、この作品の世界は一気に外に向けて迸った。その快感たるや。

 なんか、私ごときが言葉を尽くすより、伊佐子の生き様を実際に読んでほしい。心底そう思います。
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